会社の書類や公的な申請書で間違いがあった場合、その間違いを正すために訂正印が使われます。
訂正印は、修正した部分が本人によるものであることを証明するための印鑑です。
小さなミスを訂正する場合、どのように訂正印を押すかは比較的理解しやすいです。
しかし、複数行にわたる訂正が必要な場合、その訂正の方法や訂正印の正しい押し方が分かりにくいこともあります。
この記事では、複数行の訂正や、複写式の書類で訂正が必要な場合の具体的な対応方法を紹介します。
訂正印の活用方法：基本と複数行の訂正手順
基本的な訂正方法
訂正が必要な際の基本的なステップは以下の通りです。
- 間違えた部分に二重線を引きます。
二重線の上、または近くに訂正印を押し、正しい内容を書き加えます。
追加が必要な文字には「V」マークを使って、書き足す場所を示します。
縦書きの文書では「＜」を使うと良いでしょう。
追記する際は、追加した文字の後に訂正印を押してください。
複数行の訂正方法
複数行にわたる訂正が必要な場合は、以下の手順を踏みます。
- 複数行にわたって二重線を引き、訂正を行います。
訂正が必要な各行に訂正印を押します。
この際、各行に訂正印を押す理由は、訂正が本人によるものであることを明確にするためです。
1行目だけに訂正印を押すと、他の行の訂正が本人の意図によるものかどうかが不明確になりかねません。
訂正内容を明確にするため、「2行目3文字削除」といった具体的な注記を余白に記載することも有効です。
訂正が多くなり書類が見づらくなる場合は、新たに書類を作成し直すことをお勧めします。
これにより、書類の清潔さと正確性が保たれます。
複写式の書類に訂正印を押すときのポイント
複写タイプの書類は、1枚目に書くと自動的に2枚目や3枚目にも内容が写るようになっています。
手書きの文字や二重線で消した部分も下のページに写りますが、訂正印は押しても複写されません。
そのため、すべてのページに直接訂正印を押す必要があります。
複写された用紙はそれぞれ別の場所で提出されたり保管されたりするため、すべてに印鑑を押しておくことが大切です。
訂正印はどこで買える？どんなものを使えばいい？
書類の間違いを直すときは、余白が狭い場所に文字を書き直すことが多いため、小さめの訂正印を使うのが一般的です。
ふだん使っている大きな印鑑だとスペースに収まらないことがあります。
そこで、少し小ぶりな訂正用の印鑑を用意しておくと便利です。
訂正印は、はんこ屋さんや文房具店で購入できます。
一部の100円ショップでも取り扱っています。
ただし、名字がめずらしいと店頭にないこともあるので、その場合はインターネット通販を利用すると探しやすいです。
提出する書類にすでに押してある印鑑がある場合は、訂正印にも同じ印鑑を使うのが基本です。
銀行や郵便局に提出する書類の場合
銀行や郵便局に書類を出すとき、訂正が必要になった場合には、届け出てある印鑑（銀行印）を使って訂正印を押さなければいけません。
たとえば、銀行で手続きをした際、電話番号を間違えてしまい訂正しようとしたときは普段使っている印鑑ではなく、あらかじめ登録してある銀行印を求められたります。
このように、届け出印で訂正しないと書類を受け付けてもらえないことがあるため、銀行に行く際は銀行印を忘れずに持って行きましょう。
シャチハタは使える？
役所や銀行などに提出するような正式な書類では、シャチハタのようなスタンプ式の印鑑は使えません。
訂正印を押すときは、朱肉を使うタイプの印鑑を用意してください。
まとめ
書類に複数行の訂正を行う際のポイントを説明しました。
訂正する際には、特に次の二つの点に注意が必要です。
- 訂正を行った人が誰であるかを明確にすること。
書類が読みにくくならないように注意すること。
複数行にわたる訂正を行う場合、各行に訂正印をしっかりと押すことが重要です。
また、訂正の詳細が分かるように、具体的な内容を書類に記入しましょう。